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抗がん漢方生薬:山査子(サンザシ)
処方名:山査子、山査、山査肉
基原:バラ科の植物 山里紅、山査、野山査などの熟成果実を乾燥したもの
性味:味は酸・甘、性は微温
主成分:ビタミンC、B2、タンパク質、脂肪、タンニン、サポニン、フラボン類、トリテルペン類、有機酸等
薬理作用
- 消化促進…胃液の分泌を増加して消化を促進する
1.1 消化酵素の分泌を促進する
1)山査子に含まれるビタミンC、ビタミンB2、カロチン及び多種類の有機酸は内服によって胃内の消化酵素の分泌を増加させ、酵素活性を増強させ、消化を促進する。含有される脂肪分解酵素は油脂や脂肪性食品の消化を促進させる。
1.2 胃腸の働きを調節する
1)焦サンザ抽出液のラットの摘出胃、腸平滑筋に対する影響について実験したところ、焦サンザ抽出液はラットの胃・腸平滑筋条片の運動を抑制することがわかった。4〜8mg生薬/mL濃度範囲内では顕著にラットの胃・腸平滑筋条片の運動を抑制し、その作用は顕著な量依存性を示した。8mg生薬/mL濃度ではアセチルコリンによる胃腸平滑筋の強烈な収縮作用とアトロピンによる平滑筋拡張作用に拮抗する。
*抗コリン薬:胃酸分泌を抑制し、胃潰瘍の治療等に用いられる
- 抗菌…インビトロ(生体外実験)で赤痢菌A群に対して強い抗菌作用がある
山査子から搾られた原液は黄色ブドウ球菌、カンジダ・アルビカンス、大腸菌のいずれに対しても、一定の抑制作用を有する。
- 血管拡張・降圧
3.1 降血脂作用
1)総フラボン含量の異なる純度のサンザ葉を高脂血症モデルのマウスに胃内投与したところ、マウスの血清総コレステロール、トリグリセリドの値は顕著に降下した。
2)山査子烏梅茶を用いて、高脂血症モデルのラットへの血中脂肪及び血流への影響を観察した。山査子烏梅茶の用量によって高、中、低用量のグループに分けた。21日間連続胃内投与した後、血中脂肪と血流の各項目指標を測定した。結果:山査子烏梅茶胃内投与後、高脂血症ラットの総コレステロール、トリグリセリド、LDLのは顕著に抑制され、HDLの含量は顕著に増加した。同時に血流改善にも有効であるという指標を示した。
3.2 冠動脈血流量を増加させる
山査子に含まれる総フラボンは冠動脈の拡張作用及び血管拡張作用を有し、冠状動脈を拡張することで心臓の働きを改善し中枢神経系の機能を活発にさせる。
3.3 強心作用
山査子は心筋の収縮力を増加させ、心臓からの送血量を増加させ心拍数を減少させる作用を有する。サンザフラボン、サンザエキス、サンザ水抽出物はいずれもヒキガエルの体内、摘出の正常及び疲労心臓に対して一定程度の強心作用を有する。
3.4 抗不整脈作用
サンザエキスは下垂体後葉ホルモンの引き起こす不整脈に対して一定の抑制作用を有する。山査子抽出物はアコニチン静脈注射の引き起こす不整脈に対して拮抗作用を有する。その作用は強く、主にサンザフラボンとサポニンによるものである。山査子中のトリテルペン酸類は冠血流量を増加させ、心筋の強心配糖体に対する敏感性を高め、心臓からの送血量を増加させ、心筋の反応と伝導性を弱め、抗心室細動作用、抗心房細動作用、抗発作性頻拍作用を有する。
3.5 降圧作用
山査子中の総フラボンは血管拡張作用と持久的な降圧作用を有する。関連の実験において山査子のエタノール抽出物は猫の血圧を降下させ、ペントバルビタールナトリウムの中枢抑制作用を増強させた。サンザ葉の多糖活性成分の分離実験において、サンザ葉中の多糖には降圧作用があることが発見された。
- 抗酸化作用
山査子抽出物の抗酸化作用の実験によって、山査子抽出物は顕著にSOD値を上昇させ、MDA値を低下させることが確認された。
- 抗がん作用
1)山査子果実に含まれるフラボンのヒト咽頭癌Hep22細胞に対する影響を研究したところ、Hep22細胞の成長に対して顕著な抑制作用が認められた。Hep22細胞の抑制作用は恐らくカルシウムイオンによって細胞がアポトーシスに導かれることが原因であると考えられる。
2)山査子から抽出されたステロイド3種をマウスの癌細胞Hep-S、S180、EAC細胞及び人体の正常肝細胞L02細胞に対する作用を研究したところ、細胞増殖実験において一定量のステロイドはHep-S、S180、EAC細胞に対して顕著な抑制作用があることが発見された。その抑制率は時間、濃度に対して正の相関関係を示した。L02細胞に対しては顕著な抑制作用は認められなかった。ゲル電気泳動法を用いた実験によって、ステロイドの癌細胞に対する抑制作用はアポトーシスを誘発することによって引き起こされるという可能性が認められた。
3)山査子から抽出されたポリフェノール類には強力な抗癌有効成分が含まれていることが関連の実験によって証明された。その成分は亜硝酸塩を消去する作用を有し、その消去率は86.4%に及ぶ。また、ヒトリンパ細胞DNAの損傷を抑制し、その抑制率は71.5%に達し、エールリッヒ腹水癌を接種したマウスの生命を18日間延長し、その寿命延長率は180%であった。
臨床応用
- 消化不良に使用する。
特に脂っこい食物、肉や脂肪の多い食物による消化不良に適している
- 下痢に使用する。
赤痢や慢性腸炎に山査子の抗赤痢菌、収斂止瀉作用を利用する
- お血による疼痛に使用する。
血管を拡張する事によってうっ血除くので月経痛、産後の下腹部痛、悪露が止まらないときなどに使用する
使用上の注意:呑酸、吐酸など胃酸過多の症状があるとき、胃潰瘍には用いないほうが良い
参考文献:「山ざの化学成分、薬理作用と臨床研究」海峡薬学2010年第22巻第3期 王春雷
漢薬の臨床応用 中山医学院
等
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