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食物繊維
発ガン性物質やコレステロールを排泄
最近でこそ、便秘や動脈硬化、大腸ガンなどの予防に効果があるとされている食物繊維ですが、長いこと邪魔者扱いされてきました。
昔から便通を良くする効果のあることはよく知られていましたが、体内の消化酵素では分解されないため、食物としてとっても、からだを通りぬけてしまうと考えられていたからです。
ところが、食品中の栄養成分が消化吸収された後、繊維質の塊として残った食物繊維は体内を移動するとき、水を吸収してスポンジのように大きくふくらみ、コレステロールや腸内の発ガン性物質などの有害な成分を付着させ、すみやかに排泄させる効果のあることが示されるようになりました。
こうした食物繊維の活発な生理機能が明らかになるにつれ、改めてその効果が注目されだしたのです。
「邪魔者」から「保健有効成分」に
十数年前までは、食物繊維の測定法さえ不明でした。人間の消化過程をまねて、二、三の消化酵素を加えた溶液を食物繊維に入れて調べたところ、はじめて水溶性の繊維もあることがわかりました。
りんごなどの果物に含まれるペクチンやマメのサヤに含まれるガム質がそれで、これが発ガン性物質などの有害成分を付着させ、除去します。穀類や野菜に多いセルロースなど水に溶けない繊維が食品成分表に示される「繊維」、正確には粗繊維で、体内で水分を吸収し、容積を増加させ、便通をよくします。
食物繊維が食品中の「邪魔者」から「保健有効成分」になった背景には、この二、三十年の食生活の急激な変化があります。
それまでは穀類や豆類、新鮮な野菜や果物から豊富に食物繊維をとっていましたが、食品工業が発達し、精製された小麦や白米、食物繊維が不足したパンや菓子類が広く出回るようになるにつれ、肥満や心臓病、大腸ガンなどが急増しはじめました。特にアメリカではこの傾向が顕著で、国家的規模のガン予防キャンペーンで食物繊維の摂取を大々的によびかけたことが、今日の食物繊維ブームの発火点になりました。
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