水道水の有害物質
クリプトスポリジューム(原虫)
1.クリプトスポリジウムとは
病原性クリプトスポリジウム原虫は、原生動物の胞子虫綱のコクシンジウム類に属する腸管寄生原虫で、4匹入った卵のような粒子をオーシストといいます。その直径は、4〜5ミクロンしかない目には見えないほどの大きさで、通常の浄水システムではろ過できません。水や食べ物の中では、殻に覆われたオーシストの形で存在し、体内に入ると小腸の中でオーシストの中にいたクリプトスポリジウム原虫(スポロゾイド)が4匹飛び出し、腸粘膜上皮細胞に浸入します。このスポロゾイドになった原虫の大きさは直径が0.1ミクロン、長さが3ミクロンの微小な原虫です。原虫は、腸の中で増殖を繰り返し、数を増やし、再びオーシストを形成し、これが便と共に体外に出て、新たな感染源となります。
2.なぜ水道水に混入するのか?
人や家畜等の哺乳動物のほかに、鳥類や魚類などに寄生します。糞便とともに体外に排出され、新たな宿主の感染源となります。
3.人体への影響は?
感染すると、体に水分を補給する腸管の中にある水分吸収管の中に入り込むため、生体防御反応から腹痛を伴う激しい下痢症状が3日から1週間程続き、生体を維持する腸管からの栄養吸収ができず、免疫力が低下している老人や乳幼児では、死に至ることが明らかになっています。1993年、アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーで約40万人が感染、約400人が死亡する事態が発生しているほか、日本でも1996年6月に埼玉県入間郡越生(おごせ)町で町人口の6割を超える約8700人が下痢や腹痛を訴える「集団下痢」が起きています。水道水が原因で発生したもので、大きな社会問題となりました。
オーシストの殻は非常に硬いため、塩素消毒に対して大腸菌の約69万倍も強く、次亜塩素濃度50mg/lppmでも死滅しないことがわかっています。ほとんどの浄水場がクリプトスポリジウム原虫を除去しきれないこともわかっています。成人よりも体内での水分要求量の高い小児の方が感染率が高く、人間のほかに牛・馬・豚などの家畜、イヌ・ネコ・ネズミなどの哺乳動物が宿主になります。
4.水道水質基準について
日本の水質基準・・・・現在、基準値は設けられていません。
※クリプトスポリジ原虫の大きさ・・・オーシスト状態 直径:4〜5ミクロン
原虫 直径:0.1 長さ:3ミクロン
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